続*時を止めるキスを —Love is...—
「いいのよ。見せしめというよりは、因果応報じゃない。
自分でまいた種は自分で刈り取るのが道義ってもんよ」
そう言って、再びグラスに注いだワインを口にする柚さんに大いに頷いた円佳が続く。
「さっすが柚さん!あーあ、クズには効かなかったのが残念ね。
ま、結局はそのバカ女とも別れたって話だし、この件もいずれ広まるかな。当然の報いよ」
「……え?私、別れたとか言った?」
「ちがうちがう。ちょっとしたパイプがあるの」
ふふん、と胸を張って言う円佳の意味有りげな視線に、頬をひくひくさせながら苦笑する私。
「そーそー。クズ男ほどね、おごりがあるのよ〜。
ほんとはあたしが乗り込んで、藍凪ちゃんの代わりにそのクズをヒールで踏みつけてやっても良かったけど、そんなことするとパンプスが可哀想だし?
ちょうど瀧野が帰国する日だったから、あいつに花持たせてあげたの。ま、そのお陰で今夜もガルトク楽しめるんだけどねぇ」
ふふ〜ん、と鼻歌混じりに暴露する柚さんの隣で、「さてどうしてあげよっかな」とほくそ笑む円佳が若干怖いな。