続*時を止めるキスを —Love is...—
話題を変えようと選んだ内容が悪かったのか、瞠目した彼女。でも、ほのかに赤い顔でふにゃりと顔を緩ませながら口を開く。
「そのうち分かるわよ〜」
語尾を伸ばしながら陽気に答えてくれたものの、的を外れたその言葉に首を捻ってしまう私。
「……柚さん、あくまで私の予想なんですけど。
お相手の方って、SJ社の人事部の課長ですよね?」
「「え!?」」
円佳の発言に驚いたのは、私と柚さん本人。かたや言い当てた彼女はしたり顔をする。
「……なんで知ってんの?」
酔いが醒めたのだろう、若干声が低くなった柚さんが神妙な面持ちで円佳に問う。
——柚さん、それだと肯定しちゃってますよ。いいんですか?それとも開き直りましたか?
「SJまでは分かる、うん。でも、何でそこまで精通してるの!?……怖い」
頭を抱えそうな勢いで呟く柚さん。彼女の追求からは逃げることも叶わないと悟ったのか、本音が漏れ聞こえてくる。
それさえも「これもツテですよ」と、ふふっと一笑に付す。
そんな円佳の、瞳の奥の輝きを目撃した私と柚さんに悪寒が走ったのは言うまでもない。