君だけに、そっとI love you.





病院へ行くために急いで身支度を整えた掬恵と掬恵の母親の二人。






自宅から歩いて10分程度で皮膚科と看板のかかった外壁が薄いピンク色の病院にようやくたどり着いた。





早朝だというのに病院の入り口のドア付近まで多くの患者さん達でいっぱいになっていた。






掬恵の母親が掬恵の手を引き受け付けに向かう。






受け付けには清潔感のある若い女性が優しい笑顔で座っている。






「おはようございます。初診の患者さんですか?」






「いえ。うちの娘はじゅう何年か前に来たことがあるんですけど……」






「それじゃあ、大分前ですね―。初診扱いになるので、この用紙に名前と住所と電話番号に年齢と……、あと下の方に今日の症状を書いて下さいね」





掬恵の母親が初診問診票を受け取り、「わかりました。あの、……待ち時間はどれぐらいかかりそうですか?」と尋ねた。


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