愛は憎しみに変わって

「有里…迷惑…かけて…ご…ごめ…ん…」
涙で言葉が上手く出ない私に有里は「迷惑だなんて思っても無いし謝らなくてもいいんだよ…それより独りで苦しんでんじゃないよ」と優しく微笑みながら私の涙が止まるまで抱きしめてくれていた

どれくらいの時間が過ぎたのか…

「落ち着いた?じゃあ…無理しないでいいから話できる?」と有里

少しずつ今まどの事を説明した後に有里は「紀之さん…綾香に甘え過ぎ…綾香も綾香で我慢しすぎだからいけないんだよ!まぁ綾香はキツい事言えないか…」と言った後に、もう一度携帯を見せて欲しいと言うので渡すと暫く無言で紀之のメールを読み始めた

その間私は自問自答…
 
やっぱり私が紀之を駄目にしたのかな…
そう言えば「俺は今まで壁を作って生きてきたのに綾香が壁をぶち壊した…素の自分は隠してきたのに…」と言った紀之の言葉を思い出していた

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