少しずつ、見えるミライ
ところが、増員どころか、予測もしない事態が起きた。

就活で退職した亜美ちゃんの代わりに入ったパートさんが、旦那さんの転勤で、急に辞めることになった。

彼女は今月いっぱいでいなくなってしまう。

それまでに新規のアルバイトを投入し、育てておかなければ、来月からは大変なことになる。



そう思えば、求人を出してすぐ応募して来てくれた彼は、救世主なのかもしれない。

タイミングといい、勤務条件といい、人柄といい、こちらとしては願ってもない人材だし、たくさんの求人の中から、彼がうちを選んでくれたことを感謝するべきだろう。

最初は気後れしちゃったけど、冷静に考えたら、迷ってる場合じゃないのだ。



とりあえず、採用すると決めたからには、いつまでもビビッてばかりいられない。

大丈夫。何とかなる!

変な子じゃなさそうだし、ゆとり全開のバカっぽいタイプでもない。

一緒に働いているうち、きっとあの得体の知れないキラキラオーラにも慣れて来る.......と思う。
< 12 / 216 >

この作品をシェア

pagetop