少しずつ、見えるミライ
彼には、次の週から勤務してもらうことにした。

電話で確認してみたら、今のところ、彼がバイトに入れない日は週に一日だけ。

どうやら、その日は、別のバイトをしているらしい。



もちろん、構わない。

うちのシフトは二週間ごとの希望制。

基本的にはそれぞれ決まった曜日に休みを取ることになるのだけど、特別な用事がある時は、前もって申告してくれれば、出られる人と交代することも可能という仕組み。



だから、彼のような融通の利くメンバーがいると、シフトを作る身としては大助かり。

何だかんだ言って、やっぱりいてくれた方が便利じゃん。

あんなに悩んでだくせに、採用すると決めてしまえば、不思議とそんなところにまで高得点をあげたくなってくる。



しかし、本番はこれからだ。

私はまだ一度も彼と一緒に勤務していない訳で、実際に一日中そばにいられたら、どんな感じなのか、現時点では今いち感覚が掴めない。



でも、もう弱気ではいられない。

来週からは、いよいよ彼のトレーニングが始まる。

第一、普通に接してあげないと、彼だって困るよね。

ここは、私がしっかりしなくちゃ...........
< 13 / 216 >

この作品をシェア

pagetop