少しずつ、見えるミライ
一緒に最後まで到達した後、すっかり脱力し切った腕を弱々しく彼の背中に回して、もう一度抱きしめながら、もたれかかった。

腕の中で、マックスまで上がった心拍数がゆっくりスピードを落として行くのを感じていると、なぜかとてもホッとする。

彼の温もりが伝わるものすべてが、私にとっては安心に繋がる材料だから。

今の私に取って、何より必要だからなんだと思う。



だから、言おう。

ちゃんと言葉にして伝えよう。

私の本当の気持ちを、彼が見失わないように......



「朝陽、愛してる。」

「.......。」

「私のこと、ずっと離さないでね。」

「.....俺が離さないでいたら、本当にずっとずっとそばにいてくれる?」

「うん。」

「ホントに?」

「もちろん。」

「何があっても、俺は未帆を離さない。簡単に諦めたりしない。」

「.......。」

「だから、ずっと俺だけの未帆でいて。俺と一緒にいて。」

「うん。」

「.....ありがとう。愛してるよ、未帆。」

「うん、私も愛してる。」

「嬉しい.......。でも、俺の方が、絶対、うんとうんと愛してるから。」



彼はそう言うと、頬ずりしながら、私を抱え込むように抱きしめた。

まるで小さな子供が、誰かに盗られないように、お気に入りのおもちゃにしがみついているみたいに。
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