少しずつ、見えるミライ

「じゃあ、誰もダンナの目的はわからないんだ？」

「はい。しかも、追い帰しちゃった時、この土日にまた来るみたいなこと言ってたから、多分、明日か明後日には顔合わしちゃうんですよね。」

「そうなの？」

「だから、何か動きがあったら報告するよう、周りに協力頼んであるんですけど、彼女がどんな反応するのかって考えたら、何か怖くてたまらなくて。」

「なるほどね.....。」



缶に残っていたビールをゴクゴクと一気に飲んだ後、しばらくリリアさんは考え込んでいた。

考えたってどうにもならないことなのに、一緒に悩んでくれる人がいるのが嬉しい。

しかも、誰に何と言われようと信じて待つしかないんだって、俺の中では、とっくに答えが出ていることなのに。



「信じる者は、報われる。」

「え？」

「それしかないんじゃない？」

「.......。」

「今までだって、ずっとそうでしょ？ 押し掛け同棲持ち掛けた時も、その後、好きって言ってもらうまでも、彼女は絶対、俺のものになるって、信じて頑張って来たから、思いが実ったんじゃないの？」

「そう、かもしれない.....。」

「だったら、これからも同じだよ。彼女は、ダンナに何言われてもなびいたりしない。辛いかもしれないけど、そう信じて待つしかないんじゃない？」

「.....はい。」