少しずつ、見えるミライ
だけど、素直に自分から胸に飛び込めない。

何か、違う。何か、イヤ。

自分でもよくわからない感情が押し寄せ、胸を締め付ける。



「ごめんね、昨日、連絡つかなくなっちゃって。」

「ううん。」

「携帯の充電、切れてたみたいなんだけど、すっごい酔っ払っちゃってて、気が付かなかったんだ。」

「そう。」

「昨日は自分でも信じられないくらい酒が回っちゃって、俺、寝ちゃったみたいでさ。黙って朝帰りすることになって、反省してる。本当にごめん。」

「そう、だったんだ。」

「うん、本当にごめん。」



その話は、嘘じゃないと思う。

それならそれで仕方ないし、これから気を付けてくれるなら、今回は許すしかない。

でも、問題はそこじゃない。

私の感じている違和感は、もっと別の所にある。



「で、どこにいたの?」

「友達の家。」

「三次会が友達の家?」

「いや、はっきり覚えてないんだけど、四次会なのかな。記憶が飛んじゃってて、よくわからない。」

「私の知らない人の家?」

「うん、そう。」

「ふ~ん.....。」



顔を見る勇気がなくて、下を向いていたから、修ちゃんの表情がわからない。

嘘かどうかを声だけで判断するのは、とても難しい。
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