少しずつ、見えるミライ
「この前、買い物してたら、偶然、その子に会ったんだ。だから、勇気を出して、ずっと、気になってたことを聞いてみた。」

「そしたら?」

「俺、その子に風邪薬か何か混ぜたお酒、飲まされて、酔いがマックスまで来て、寝ちゃっただけなんだって。揺すっても起きないから、ちょっと魔が差して、脱がせといたら、俺が騙されちゃっただけなんだってさ。」

「.....ほんと?」

「まぁ、それ自体、良くないことだし、今頃、だから何だって話かもしれないけど、俺、多分、お前が思ってるよりもずっと、お前のこと、愛してたから、それだけはあり得ないって、ずっと思ってたんだ。いくら酔ってても、絶対、それはないだろうって信じてた。最初、朝帰りしたことだけを謝ったのも、そう思ってたからで、別に隠そうとしてた訳じゃない。」

「.......。」

「だけど、同じ社内にいたから、その子の立場考えたら、下手に問い詰めることも出来なくて、ずっとモヤモヤしてた。でも、そんなこと言ってるうちにお前と別れることになっちゃって、カッコつけて問い詰めなかったこと、結局、後悔することになったんだけど。」

「.....じゃあ、なんで、あの時、そう言わなかったの?」

「あの時、そんな言い逃れみたいなこと言って、信じてもらえた?」

「それは.....。」

「それにさ、俺自身、ショックだったんだ。最後の一線どうこうって言う前に、ものすごくお前を傷付けちゃったことが。」

「....... 。」

「だから、あの時は、何言われても、お前の言う通りにしようって思った。」

「そんな..... 。」
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