少しずつ、見えるミライ
朝陽のアップが映っていたのは、ワイドショー番組のゴシップを扱うコーナー。
いくつも並んだ新聞のトップを飾っていたのは、歌姫リリアが、お気に入りの年下ダンサーとデキているという記事だった。
朝陽はリリアのことを私によく話してくれるし、仲が良いのも知っている。
でも、それはリリアに朝陽と同じ年の弟がいるからとか、リリアが私と同じ年だからとか、いろいろ理由があってのことだと思っていた。
なのに、このワイドショーは、MVの内容にまで難癖を付けていた。
演技の経験のない朝陽がMVの中でこんなに切ないイイ表情をしてるのは、高嶺の花である歌姫への届かぬ思いを重ねているからだとか何とか、言いたい放題。
挙句に、ツアーダンサーの座を手に入れるために近付いただの、売名行為だの、耳を塞ぎたくなるような中傷の連続。
もうやめて!! と思った瞬間、プチっとテレビが消えた。
振り返ると、何でもないことのように、母が優しい笑顔を浮かべていた、
「芸能人は大変そうね。でも、こんなの嘘でしょ?」
「.....え?」
母は、ニッコリ笑ってそう言うと、黙って、私にティッシュを差し出した。
あれ? 私、泣いてるの?
ダメだよ、そんなの。
信じてるのに、こんなの嘘だって思ってるのに.......
「信じてあげなきゃダメよ。こういう時こそ、味方になってあげなくちゃ。」
「お母さん.....。」
「未帆が好きになった人だもん。お母さんは、きっと悪い子じゃないと思う。」
「..........。」
「ほら、笑って。頑張って。」
「うん......。」
いくつも並んだ新聞のトップを飾っていたのは、歌姫リリアが、お気に入りの年下ダンサーとデキているという記事だった。
朝陽はリリアのことを私によく話してくれるし、仲が良いのも知っている。
でも、それはリリアに朝陽と同じ年の弟がいるからとか、リリアが私と同じ年だからとか、いろいろ理由があってのことだと思っていた。
なのに、このワイドショーは、MVの内容にまで難癖を付けていた。
演技の経験のない朝陽がMVの中でこんなに切ないイイ表情をしてるのは、高嶺の花である歌姫への届かぬ思いを重ねているからだとか何とか、言いたい放題。
挙句に、ツアーダンサーの座を手に入れるために近付いただの、売名行為だの、耳を塞ぎたくなるような中傷の連続。
もうやめて!! と思った瞬間、プチっとテレビが消えた。
振り返ると、何でもないことのように、母が優しい笑顔を浮かべていた、
「芸能人は大変そうね。でも、こんなの嘘でしょ?」
「.....え?」
母は、ニッコリ笑ってそう言うと、黙って、私にティッシュを差し出した。
あれ? 私、泣いてるの?
ダメだよ、そんなの。
信じてるのに、こんなの嘘だって思ってるのに.......
「信じてあげなきゃダメよ。こういう時こそ、味方になってあげなくちゃ。」
「お母さん.....。」
「未帆が好きになった人だもん。お母さんは、きっと悪い子じゃないと思う。」
「..........。」
「ほら、笑って。頑張って。」
「うん......。」