少しずつ、見えるミライ
「あっ! あれ? だいぶ雰囲気、変わってない?」

「もしかして、思い出してくれました?」

「うん。何となく.....。」

「あの頃の俺、今よりだいぶチャラい感じだったし、もっと顔パンパンだったと思うんですけど。」



彼の顔が、パッと明るくなった。

ってことは、やっぱりそうなんだ。

あの時の茶髪のお兄さんがここにいるなんて、何だか信じられない。



えっ、でも、じゃあ、彼は旦那のことが大好きで、一番デレデレで幸せだった頃の私を好きになったことでしょ?

だったら、彼から見た私だって、だいぶ印象が違うんじゃない?

ツマラない女なりに今よりは若かったし、もう少し素直で可愛かっただろうし、旦那のために努力もしてたから、若干、女子力も高かっただろうし.......



あぁ、何か自信ない。

オバさん化してて、実はガッカリさせちゃったりしてない?



「未帆さんは、髪が短くなってたけど、すぐわかりました。ホンワカした可愛い感じは、全然変わってなかったから。」

「うそ?」

「嘘じゃないです。だから、すぐ亜美ちゃんに聞いたんです。そしたら名前も同じだし、店に来なくなった理由にも納得したから、間違いないなと思って。」

「.......。」
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