少しずつ、見えるミライ
ってことは、やっぱり離婚したって知ってるんだ.......



だっ、だから何だって言うの ?

そんなにドキドキすることないでしょ!!

どんなつもりで彼がそう言ってるのかわからないけど、いちいち動揺しなくていいから。



「あの時、水かけちゃったリしたから、もう来てくれなかったらどうしようって心配してたんですけど、その後も何度も来てくれたから、すごくホっとしたし、ホント嬉しかった。いつもニコニコしてて、幸せそうで、旦那さんが羨ましいなって思いながら、未帆さん、見てました。」

「.......。」

「でも、その頃は、それだけで満足だったんです。自分が未帆さんのこと、こんなに気にしてるなんて、全然思ってなかったから。」

「へっ?」

「来なくなってから後悔したんです。気になって、気になって、仕方なくて、もっと話かけておけば良かった、もうちょっとどんな人か知りたかったって。ま、そうは言っても、人の奥さんだったから、頑張ったところでどうにもならなかっただろうけど。」

「.......。」



これは夢?

私の知らないところで、あの頃、そんなことが起こっていたなんて、考えたこともなかった。

嬉しくない訳じゃないけど、じゃあ、私はどうすればいいっていうの?

決してモテる人生を歩んで来た方ではないだけに、聞いているだけで、みるみる顔が赤らんで来る。
< 30 / 216 >

この作品をシェア

pagetop