少しずつ、見えるミライ
動揺しつつも、視線を感じ、目線をチラッと横にやると、悪代官と目が合った。

ヤバい! 絶対、ヤバい!

何なの、その不敵な微笑みは。

妙にキラキラした目は.......



この人、何か企んでる。

もうわかるもん、その目の輝きだけで。

いいから、何にもしてくれなくて。

お願いだから、そっとしといて!!




「あ、えっと、本当は初日からこんな話するつもりじゃなかったんですけど.....でも、何かいつの間にか話の方向がこうなっちゃって、ついいっぱい喋っちゃって、気を悪くしたら、ごめんなさい。」

「悪くする訳ないじゃない。ねぇ、未帆ちゃん?」

「う、うん。」

「そういう方向に行くように、私が仕向けたからそうなっただけでしょ。一番聞きたかったのはそれだから、むしろ詳しく話してもらえて良かったよ。ねぇ、未帆ちゃん。」

「うん.....。」

「そう、ですか?」

「未帆ちゃんね、合コンとか誘っても全然来てくれないし、たまに『男なんて』みたいなオーラ出してるから、朝陽君、そういうの取り払ってあげてよ。」

「ちょっ、何言ってんの? 沙苗ちゃん!」

「だって、本当のことじゃん。」

「.......。」
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