少しずつ、見えるミライ
完全に予想外の答え。

正直、ビックリだ。



あぁ、でも、そうか......

だから、面接した日、無意識のうち、彼のキラキラ感に拒否反応が出ちゃったんだ。

もしかしたら彼って、無難で着実な人生を追求する私にとって、ちょっと苦手なタイプかも。



「ねぇ、ねぇ、ってことは、ダンサーのお仕事もやってるの?」

「はい。たまに音楽番組とか、イベントとかで呼ばれて踊ってます。」

「そうなんだぁ。何かカッコいいね。」

「いえ、まだ全然。」



確かに彼なら似合いそうだし、そう言われても違和感はない。

でも、そういうキラキラした世界に、私は付いて行けそうにない。



「すごいね。そういうの本気で目指してる人って、そうそういないよね。」

「あぁ、どうなのかな? 俺もそう決心するまでには、いろいろあったけど。」

「そうなの?」

「はい。師匠に背中を押されるまではそんなこと考えたこともなかったし、何がしたいとか、自分でもよくわかってなかったから。」

「やっぱり師匠とかいるんだ?」

「まぁ。って言っても、俺の場合、要は事務所の社長なんですけど、好きなことだけして生きてる最高にチャラくてカッコいい親父なんで、憧れてはいます。」
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