タマシイノカケラ
「祭り、行きたかった?」

暫しの沈黙に耐えれず、話しかけた。

「──いいや」

優しい口調。
さっきまでのテンションとは真逆で、今はすっかり落ち着いている。

また沈黙。
こんな雰囲気だと、何を話していいか、解らなくなる。


私はまたナオヤに背を向けた。

2本目を飲み干してから、

「カナとだったら、どこでも良かった」

ふいに、背後からやんわりとした、言葉が包み込む。




勢いで振り替えってしまった。

一瞬の光の中に浮かび上がった、ナオヤの顔。


柔らかい表情。

どこか、憂いを帯びた眼差し。




その眼差しが、私を捕らえて、離さない。

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