タマシイノカケラ
力強い言葉。

「こっち見て。…俺を、見て」

でも、優しい言葉。



逆らえなかった。

ナオヤの言葉に、ナオヤ自身の魂が注がれていたから。



ゆっくりと、もう一度振り返る。






「俺の事、怖い?」

怯えた瞳と、まっすぐで、悲しい漆黒の瞳がぶつかる。

言葉にならず、首だけ横に振る。




──良かった。




彼の声の後に、私の背後で、ヒュン、と音がした。

ナオヤの顔に、極彩色の光が散りばめられた。

少し間を開けてから、心臓まで揺すられる程の轟音が響く。





「あ、…花火」

< 48 / 125 >

この作品をシェア

pagetop