恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜

「うん…。雅樹どうして知ってるの?」


「まったく、お前はいつになったら言う

つもりだったんだ⁈」


少し、怒り気味に早希を見る雅樹。


「ごめんなさい…言おうと思ってたんだ

けど、雅樹が喜んでくれるか心配でなか

なか言えなかったの」


早希を抱きしめ、見つめ合い唇が触れる

2人。


「おい…俺たちいること忘れてないか⁈

邪魔なら早々に退散してやるから、遠慮

なく言えよ」


拓海さんが冷ややかに言うと奈々も真愛

実さんも苦笑していた。


「あっ、悪い…」


赤面する早希とは対照的に雅樹は悪びれ

もせずにいる。


「もう、お兄ちゃんたら何その態度。せ

っかくお兄ちゃんのサプライズ計画のた

めに準備してたのに感謝しなさいよ」


そうなんだ。


「疲れているのに、ありがとう」


「何言ってるの…早希の誕生日と婚約祝

い兼ねて料理は美鈴さんと大輔さんが出

席できない代わりに作ってくれたのを、

拓海と運んだだけで真愛実さんが部屋を

暖かくして待っててくれたのよ」


美鈴さんは、年明け早々に退社して今は

大輔さんのお店のコンフォルトを手伝っ

ている。春に結婚する予定らしい。


みんながお祝いしてくれて嬉しい。


「ほら、泣いてないで食べましょう」


テーブルを囲んでみんなで楽しく食事を

始めた。


「ねぇ、赤ちゃんいつ生まれるの?」


「まだ、はっきりと聞いてないけど、10

月には生まれる予定」


「そっか‥お兄ちゃんパパになるんだ。

そしたら、私、叔母さん⁈」


「パパになる前に結婚だろう⁈」


拓海さんがやたらと結婚話をする。


そろそろ、奈々と結婚したいのかな⁈


「こいつ、俺の一生一度のプロポーズ聞

いてなかったんだ。」


「えっ、マジ⁇」

あ然とする一同。


「だから、もう一度あるって聞いたわよ



拗ねる早希。


「言わないって言ったけど…」

憤慨する雅樹。


「はいはい、うちらもう帰るし痴話喧嘩

は後でしてね」


奈々と真愛実さんはあっという間に片づ

けて拓海さんと3人で帰って行ってしま

った。

家に2人だけになり、落ち着かない早希。

「ねぇ、雅樹はどうして私が妊娠してる

のわかったの⁇」


「そこからかよ。まったく…」


「なにが、そこからなの⁇」


「あのな、お前見てたらただの風邪じゃ

ないのわかってたし、偶然だけど病院か

ら出て来るのも見てた。なのに、いつま

で経っても言わないし、おろすつもりだ

ったのか?」


「違う。ただ、怖かったの。妊娠してる

ことで雅樹に結婚迫ってるみたいで言え

なかった。それに、喜んでくれるか心配

だったの」


涙を流す早希。


「あのな、あの日、避妊しなかったの俺

だけど…わかってる⁈好きでもない女を

妊娠させる程ヘマしない。お前を愛して

るから、ずっと一緒にいたいからつけな

かったんだ」


早希を抱き寄せ、頬を流れる涙を拭う雅

樹。


「まったく、気づけよ。バカ」


「バカじゃないわよ」


「はぁあ、人のプロポーズ聞いてなかっ

た奴がバカじゃないのか⁈」


ウッ…

そこを突かれると何も言えません。


「ごめんって…」


「許すわけないだろう」


言葉とは裏腹に優しくキスする雅樹。

ーー
ーーーーーー

雅樹の腕の中で眠る早希の薬指に光る物

体がはめられる。


その物体にくちづけし、微笑む雅樹。


朝、目覚めた早希が驚く顔を想像して眠

りについた。


朝、目をこすると指に光る物。


(なに⁇)

ダイヤの光がまぶしい。


左手を開き、何度も確認する早希。


次第に笑みがこぼれる。


嬉しい…雅樹はプロポーズと一緒に指輪

を準備してくれてたなんて……


横で寝る雅樹に飛びつく。


「うぉっ、なんだよ」


「指輪、ありがとう。あのね、雅樹…」


「うん⁇…」


「私、この子と雅樹を幸せにするから、

ずっと一緒にいてね」


お腹を撫で、雅樹を見つめる。

「あぁ、いつまでも一緒にいような…」
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