【完】復讐の元姫
かあ、っと。
頬の熱が上がる。
「麗はもう、お前のところに戻りかけてる」
「………」
「っつうことは、もう裏切り者の犯人なんてひとりしかいないようなもんだろ」
「……奈々ちゃん、か」
「前から怪しかったんだけどねぇ。
汐乃が裏切ってすぐ姫になったっつうとこから」
「だから時雨、今までシオに引っ付いてたの?」
「まぁ、半分それが目的だわな」
半分は違うけど、と。
そう言った時雨は、小さく微笑んだ。
「なぁ、シオ」
「うん」
「奈々は、お前の居場所を奪った。
そしてまた、2回目だ」
……2回目、か。