【完】復讐の元姫



最低だね。とにこやかに言う沙和ちゃん。



いま思ったよ。



沙和ちゃんだけは2度と敵に回したくない。



麗くんも嫌だけど、沙和ちゃんの方が怖い。



「麗、奈々ちゃんになんか言われてるでしょ」



「……何も言われてねぇよ」



「嘘だね。俺、やられっぱなし嫌いだから向こうの会話逆に盗聴してみたんだけど」



犯罪……!!




「徹と奈々ちゃんの会話で、奈々ちゃん言ってたよ?

『麗には言ってあるから、麗は私を手離せないよ』って」



え……。



「麗、何言われたの?あの子に」



「………」



「たぶん、麗は俺等とかシオを護ろうとして言わないんだろうけど。

それってただの自己満足だよ、麗」



実際にシオが傷ついた、と言った沙和ちゃんの言葉に。



ほんの少しだけ、麗くんは視線をシオちゃんに向けた。



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