【完】復讐の元姫



「ずっとお前の傍にいてやれなくて悪いな」



「別に、大丈夫だよ」



「……それはそれで寂しいだろ」



私をイスに座らせたかと思うと、私の肩に顔を埋めてくる。



甘えてくる麗が、ちょっとかわいくて。



「麗が甘えてくれるなら、もうちょっと寂しいこと言ってあげてもいいよ」



そう言って頭を撫でてあげていたら。




「ちょ、押さないでよ…!」



「うるせっ、お前声出すなって沙和に言われたじゃねーかよ!」



「凌ちゃんも十分うるさい~」



「……お前等バカなんじゃないの?」



そんな声に、視線を後ろへ向ける。



ガラッと扉が開いて。



「……あ」



「よかったね、そこまでふたりがラブラブしてなくて」



してたら俺等とんでもなく迷惑だよ、と言いつつ梨緒と凌の頭を軽く叩いた沙和。



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