しろっぷ
 流れゆく夜の夜景が動くイルミネーションがまるで幻想の光のようで、見るものを虜にする。
 と、車内に流れていたクラシックの曲が変わり、ゆかりはその音楽を聞いてあることを思い出した。
「この曲って・・・」
「ベートーベンの『ピアノソナタ14番』が好きなのか?」
「あ、そうじゃなくって昨日クラシック好きな人がやっている喫茶店に行ったことを思い出して」
「ほうーーー」
「そこで対応して下さった方が、お店のことそっちのけで指揮者みたいなことをしていたことを思い出しまして」
「・・・なあその店の周辺に駐車場はあったか?」
「確か100円パーキングがあったと思います」
「なら大丈夫だな。よし、そこに変更しよう」
 ゆかりから住所を聞くと貴人はアクセルを強く踏みこんだ。
 それから二人は高速を降り、右へ左へと縫いいるように車を走らせ、貴人はゆかりの言った住所を頼りに『美里本舗』を目指す。
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