しろっぷ
 そうお願いされた女子高校生は渋々と了承し、何とか店の中へ入ることに成功。
「それじゃあ名前を」
「橘ゆかりで」
 女子高校生は棚からゆかりの物を取り出して、すぐに機械に読み込ませたのであった。
「9800円です」
「いつもより高い!」
「買わないなら仕舞ますよ?」
「買います!!」
 ゆかりは財布から1万円札に手を掛けるが、やはりあと一歩がなかなか出ない。

 私何やってるんだろう〜。
 別に正志のこととか何ともないの・・・いや違う、これはそういうのじゃない。
 そ、そう、あくまで先行投資ってやつだから。

 そう何度も自分に言い聞かせ、震えた手で1万円を支払った。
「ありがとうございました〜。すみませんがもう閉店なんで」
 と、女子高校生はゆかりを追い出すかのように店の外へやった。
 いつもならぶつぶつと女子高校生に文句を垂れるのだが、今はそんなことを気にする余裕などなかった。
< 161 / 306 >

この作品をシェア

pagetop