しろっぷ
「優香里さん・・・、その服ってどこで売っているんです?」
「これですか?えっと・・・どこだったっけ?」
「もしかしてバーゲンとか?」
「多分そうだったかと・・・。それがどうかなさいましたか?」
「いや、もういいです。すみません、今のはなしにしてください」
「は、はぁ・・・」
 もう持っているものが違うと思ったゆかりの目は、優香里をじっと見据えた。

 それじゃあ何故ここにいるの?
 もしかして私を監視する・・・いや違うな。
 私をからかうために現れたとか?
 
 優香里に対する妬みからか、ゆかりの目を濁らせ、自然に優香里に対して疑いの眼差しを。
 それに気づいた優香里はそのことには触れず、微妙に目線をずらして気づかないフリを。
「ところで橘さん、お一人でお茶ですか?」
「いえ違います!ある人と会う予定があって!!」
「へ、へぇー」
 と、納得したかのように返事した優香里。
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