しろっぷ
「珍しいですね」
「お気に入りの腕時計を修理に出してからずーっとこうだ」

 ま、マズい。
 あまり話を広げると遅刻したことがバレちゃうかも・・・。

 顔から冷や汗をかきだしたゆかりだったが、貴人は仕事に集中していて気づかなかった。
「悪いんだが今から仕事を手伝ってくれ」
「わ、わ、わ、わかりました!!」
「じゃあアレ!」
 それから二人はいつものような調子で仕事を進めて行き、明るかった外もいつの間にか真っ暗に。
 だが、仕事は一向に終わりを見せず、まだまだ続くもよう。
 ブゥーン、ブゥーン。
 突然貴人のスマートフォンが震え、貴人はそれを手に取り画面を見ると顔が歪んだ。
「ゆかり・・・、ちょっと休憩して来ていいぞ」
「え、あ、はい・・・」

 どうしたんだろう?
 ・・・まさかアレ!?

 ゆかりの頭の中には今日あった出来事が結びつき、思わず貴人を怪しんでしまったのだが、何の確証もない。
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