しろっぷ
「意味?」
「二股されていたってことだよ?」
「そうだね」
「そうだねって・・・はぁー」
 あれだけ気を使った結果がこれだと思うと、ゆかりは話すのがバカバカしくなっていた。
「いいじゃない別に、過去がどうであろうが」
「そうかもしれないけどさ〜」
「アレ?もしかして何かあった?」
「え!?」
「正志君じゃないとするとあの男か」
「な、なんの話!」
 何とか知られまいとゆかりが取れた唯一の行動はそっぽを向くくらいしか出来なかった。
 そんなゆかりの言動を見て、真紀のカンは何かをキャッチ。
「そうか〜なるほどね。だから朝からプンプンしていたわけか」
「違う、あの人はそんなひ・・・あっ」
「あ〜の〜人〜♪正志君、ゆかりを諦めて正解だよ」
「え?あ・・・はい!!」
 動揺している最中に振られたためか、正志は若干焦っている。
 と、いつの間にか就業時間を告げる音が鳴り出した。
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