しろっぷ
「どうした慌てて?」
「い、いえ。私の勘違い・・・です」
「・・・何かあったんだな?」
「え?あ、いや、何も・・・」
「ウソだな。ゆかりはウソをつく時、口の右の方が動く」
「え!?」
「・・・違うか?」
「どうしてそ・・・」
「それより何があった?言わないとわからないぞ?」
「・・・・・」
 観念したゆかりは、バックから先ほど小川から手渡された封筒を出し、それを貴人へ。
「何だこれは!!酷いな」
「・・・・・」
「中はこれだけか?」
「そうみたいです・・・」
「そうか。ウチの人間がこんなことするとは思えないんだが・・・」
「だ、大丈夫ですよ私は!!」
 そう強がりを言ったゆかりだったが、やはり怖いのか、身体はわずかに震えている。
「ゆかり・・・」
 貴人はゆかりの震えが止まるまで優しく抱きしめ、ゆかりはそれに身をゆだねる。
「うん?」
 遠くから何者かの不審な影が二人を見ているのに気づいた貴人。
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