しろっぷ
 が、その影はすぐに消え、確認する間もなかった。
「貴人さん?」
「いや、何でもない。・・・そろそろ出ようと思うが大丈夫か?」
「はい」
 多少辺りを警戒した後、貴人はゆっくりと車を発進させたのであった。


 前回同行した方向と反対の方に車は走り、ゆかりは何気無く外を眺めていた。
 だが、あの手紙が気にならないと言えばウソで頭の中はそれのことでいっぱい。

 一体誰だろう。
 真紀はあんな面倒なことはしないし、同僚に恨みを買うことな・・・あっ、真紀関係であった。
 多分アレかな?それ以外はまったく検討つかないし。

 それは武彦との合コン前日の話。
 本来はこの合コンに真紀は参加する予定ではなかった。
 だが、ゆかりがうっかり真紀の前で合コンの話をしてしまい、真紀も行きたいと駄々をこねた。
 自身に責任があると始めはゆかりが辞退を申し上げたが、真紀がじゃんけんで決めようと強引に提案。
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