しろっぷ
 とは答えたゆかりだったが、貴人の優しさに比べれば抱きしめる痛さなど何ともなかった。
「・・・貴人さん」
「うん?」
「そろそろ会社に戻りません?まだ勤務中ですし」
 ゆかりは自身が身につけている腕時計を貴人に見せたのだが、貴人は時計を見ようとしない。
「た、貴人さん!」
「もうちょっとだけ」
「・・・もう〜」
 二人はしばらくの間その場で離れようとせず、抱きしめあったまま時間だけが過ぎて行った。
 そのような出来事の後、車を停めてあった場所から車を発進させ会社に戻ることに。
 車内ではゆかりは乱れたスーツの整え、多少ぐちゃぐちゃになった髪を手で直した。
「なあ」
「はい!?」
「今日の夜よかったら空いてるか?」
「夜?はい大丈夫ですけど」
「・・・今日いいか?」
「え?あ、はい。夜は大丈夫です」
「そう言った意味じゃなくってアレだよアレ!!」
「アレ?・・・・・え!?」
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