しろっぷ
 ある事に気づいたゆかりは慌てた。
 何故なら何とか貴人より先に仕事を終わらせ、先にマンションに帰る必要があったからだ。
 それはもちろん部屋の掃除という名を荷物や散らかった服をクローゼットに押し込むこと。
 引っ越してからまだ日は浅いのだが、部屋は前に住んでいた時と同じように汚く散らかっている。

 さっさと仕事を終わらせて何とかしないと!!!

 その思いが身体にも伝わったのか、秘書の仕事から本来の業務に戻ったゆかりの仕事のスピードは非常に早かった。
 いつもはダラダラとやってしまう書類関係の仕事もすぐに片付け、定時から30分経過した頃には仕事が終了。
「すみません、お先に失礼します」
 まだ仕事が残っている人にそう告げ、ゆかりはダッシュで自分のマンションへと帰って行った。


 部屋に帰るとゆかりはリビングのど真ん中に立っており、部屋全体を見渡して現在の状況の確認に入った。
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