しろっぷ
 辺りはすっかり日が落ち、休日ともあって車の交通量が増加。
 そのため信号に何度も引っかかり、時間にうるさい貴人は腕時計で時間を気にしていた。
「し・・・貴人、さん」
「どうした?」
「つ、次に行くところは?」
「ああ、レストランだ」
「レストラン?」
「ああ。実は老舗のレストランが新しく改築してな、その改築費をウチが出しているんだ」
「な、なるほど」
「そこで返済に問題はないかと、ディナーをな」
「ディナー?」
「ゆかりの秘書祝いにな」
「わ、私まだ秘書になるとは・・・」
「なら今、身につけているのはなんだ?了承したからでないのか?」
 貴人は左手でゆかりが着ているスーツをつまみ、ゆかりに確認させた。
「こ、これは・・・」
「それともなんだ?オレを手玉に取ろうとしているのか?悪い女め」
 とは言っている貴人の表情は子どものような嬉しそうな顔でゆかりはそれを見て、思わず笑った。
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