歩道橋で会おうね。
俺らの後ろに立っていたのは、羽菜さんや銀と同じ黒髪の女性。
つり目で強そうな瞳。
スタイルが良く、年齢は羽菜さんより上の…20代ぐらいだろうか?
「母さん…」
「そこ、ハルキの病室よね?」
「そうだけど?」
「ふぅん…。
相変わらず世話がかかる子ね。
何であんなどこの馬の骨かもわからない子、あの人は引き取ったのかしら?」
「ちょっ、母さん!
ハルキの友達の前で、そんなこと言わないでよ!」
「良いじゃない別に。
どうせいつかバレるんでしょ?」
「てか母さん変だよ!
何でどこの馬の骨かわからない子って言うの?
ハルキは母さんの子でしょ?」
は?
義理の母親じゃないのか?
何故実の母親が、どこの馬の骨かもわからない子だと言うんだ。
矛盾していないか?
「あんな子、ワタシの子だと思わないわ。
あんな子より、羽菜の方が優秀だわ」
「わたしは義理の娘でしょ?
何で本当の子どもを愛さないの?
母さんがそんな態度取るから、ハルキが可笑しくなったんじゃない!!」
「…知らないわ。
じゃあね羽菜。
今日は出掛ける用事があるんだから、早めに帰りなさい」
「嫌よ、帰らないわ。
わたしは母さんや父さんより、ハルキを取るもの」
「…良い加減にしなさい。
早くハルキを見捨てないと、いつか父さんに愛想つかされるわよ」
「良いもの。
わたし1人でハルキを養えるわ」