歩道橋で会おうね。







俺らの後ろに立っていたのは、羽菜さんや銀と同じ黒髪の女性。

つり目で強そうな瞳。

スタイルが良く、年齢は羽菜さんより上の…20代ぐらいだろうか?




「母さん…」

「そこ、ハルキの病室よね?」

「そうだけど?」

「ふぅん…。
相変わらず世話がかかる子ね。
何であんなどこの馬の骨かもわからない子、あの人は引き取ったのかしら?」

「ちょっ、母さん!
ハルキの友達の前で、そんなこと言わないでよ!」

「良いじゃない別に。
どうせいつかバレるんでしょ?」

「てか母さん変だよ!
何でどこの馬の骨かわからない子って言うの?
ハルキは母さんの子でしょ?」



は?

義理の母親じゃないのか?

何故実の母親が、どこの馬の骨かもわからない子だと言うんだ。

矛盾していないか?




「あんな子、ワタシの子だと思わないわ。
あんな子より、羽菜の方が優秀だわ」

「わたしは義理の娘でしょ?
何で本当の子どもを愛さないの?
母さんがそんな態度取るから、ハルキが可笑しくなったんじゃない!!」

「…知らないわ。
じゃあね羽菜。
今日は出掛ける用事があるんだから、早めに帰りなさい」

「嫌よ、帰らないわ。
わたしは母さんや父さんより、ハルキを取るもの」

「…良い加減にしなさい。
早くハルキを見捨てないと、いつか父さんに愛想つかされるわよ」

「良いもの。
わたし1人でハルキを養えるわ」








< 142 / 259 >

この作品をシェア

pagetop