歩道橋で会おうね。
はぁ、一気に話し過ぎたかしら。
喉がカラカラだわ。
でもね。
「ハルキくん言ったわよね?
病室で歌った歌を、歌えるかって」
「ええ、言いましたけど。
――――――まさか!」
「ええ、そのまさかよ」
私は息を吸い込み、大空を見上げた。
大きなトラックがギリギリ通れるほどの、低い青歩道橋。
そんな低い所からでも歌うわ。
この世に生きる、全員に届くように。
「君に出会えて良かったよ―――――…」
歩道橋を歩く人、全員立ち止まり、私に注目する。
恥ずかしいけど、良いの。
下の道を歩く人も、何事か集まってくる。
見上げる人の中には、アユ、アックン、羽菜さん、小野、吾妻くんもいる。
アユと羽菜さんは泣きだし、アックンはアユを見て爆笑しているし、小野と吾妻くんは呆けた顔で私を見ている。
好きだから。
大好きだから。
何があっても、
私はハルキくんが好き――――…。