The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
寝惚け眼を擦り、ぼんやりした脳を活性化しようとする。




すぐ近くで電車の通る音が聞こえた。


その音に雑じり、大きなトラックの走行音も耳に入ってくる。




「……ここ、どこ?」




薄く掛かった靄が車の窓ガラスを曇らせている。


私は助手席の窓を開け、ゆっくりと車の外を見回した。




目の前には古くて小さな駅舎があり、私はその風景をとてもよく知っている。


自分が今いる場所を認識した瞬間、嬉しさと懐かしさが胸の中に込み上げてきた。
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