妖華にケモノ
私は思っても見ない言葉を高尾に言ってしまったことに気付く。
分かってる。私にそんなことは出来ない。

高尾はうつむき言葉を詰まらせた。

「それは...ククっ」

「何がおかしいのですか」

高尾は急に笑いだし顔をあげる。

「!!」

そこには。鬼。目が赤く、恐ろしい。
銀髪の少年が行っていた通りだった。

「葉月、それはわしから逃げられたらの話にしておけ。簡単には行かないと思うが?」

高尾は笑みを浮かべ、私の方へにじり寄る。
高尾の赤い眼は獲物を捉えたかのようで、私一点を見詰めている。
先程と違い、急に高尾に取り巻く空気がかわった。
距離を置くため後ろへ下がるがついに後ろは壁。
もう、逃げることは出来ない。

「つっ...来ないで!」

距離はすぐに縮まって、私の体は高尾によって壁へ押さえつけられ逃げ道を完全にふさがれてしまう。

「葉月......」

耳元で囁かれ、一瞬のうちに身体が熱くなる。
高尾を見ると、とても色っぽい。

高尾は私の着物の帯に手をかけてそれをほどいて行く。

「あっ...いや。やめ...て」

瞬間、高尾の帯をほどく手がピタリととまる。

「何故。泣く」

「え...?」

気付けば私の頬を涙がつたっていた。

「わしに触れられるのがいやなのか?」

「んっ」

溢れ出る涙を高尾が口でなめとり、そのまま私に接吻をする。

「何をっ..」

「嫌うな...嫌わないでくれ。君はわしの..」

「?」


高尾の言葉は途中で途切れ、高尾を見てみると既に寝息をたてていた。
こんな事のあとなのに、高尾の顔を見ていると少し胸がチクリと痛んだ。









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