鳥籠の底は朱い道
「しょ、正気なのか朱道。俺はお前の父親だぞ」
「父親だからこそ殺すんだ。さっきも言っただろ。権力を持つあんたを殺す」
その手にはすでに虚朱槍フェニックスを握りしめている。
「止めろ朱道。お前は俺を殺すために生まれたんじゃない。俺以外のものを殺すために生まれたんだ」
「それは親父の願いであってオレの願いではない。だから言うことなど聞かない」
「……く、」
朱道の強さを朱道以上に知る黒馬が本気で勝てる訳がないと分かっている。だからこそやることは一つ。
逃げることしかない……だが、朱道はその進路をまずブラッティロードで塞ぐ。
「逃がさないぜ。親父だからこそ全力で殺してやる。さぁ行くぜ、ブラッティフィールド!」
そうしてブラッティロードからブラッティフィールドが展開され、いよいよ黒馬の逃げ道は完全になくなる。
「わ、分かった朱道。ならお前はもう自由だ。好きに生きるといい。だからだ、だから親である俺を殺そうなんて考えるな」
「けど、オレはすでに母である立花椿を殺した。親父もそれを承知で向かわせたんだ。それだったらさ、一緒に同じ場所で逝け」
抵抗は全くの皆無。
黒馬に端から抵抗するつもりなどなかったのだろう。実際に抵抗は無意味だろうから。
「しゅ、朱道。きさ、貴様……」
そうして黒馬を突き刺す赤い血の槍は八本、いずれも黒馬の血を啜っている。まだ死なないのは黒馬の意地だろうか。
「俺、俺を殺す? お、お、お前が。まだだ、俺を生かせ朱道」
「悪い親父。今まで育ててくれたのは感謝するが、けどこう育てたのは親父だ。だからオレは後悔しない。オレはオレの思ったままに生きる。そのために…………死ね」
そうして朱道は自分の手で黒馬を、まるで椿の時のデジャブを見ているかのように虚朱槍フェニックスを突き立てる。
朱道の言葉に嘘はない。
後悔もなければ涙もない。
「父親だからこそ殺すんだ。さっきも言っただろ。権力を持つあんたを殺す」
その手にはすでに虚朱槍フェニックスを握りしめている。
「止めろ朱道。お前は俺を殺すために生まれたんじゃない。俺以外のものを殺すために生まれたんだ」
「それは親父の願いであってオレの願いではない。だから言うことなど聞かない」
「……く、」
朱道の強さを朱道以上に知る黒馬が本気で勝てる訳がないと分かっている。だからこそやることは一つ。
逃げることしかない……だが、朱道はその進路をまずブラッティロードで塞ぐ。
「逃がさないぜ。親父だからこそ全力で殺してやる。さぁ行くぜ、ブラッティフィールド!」
そうしてブラッティロードからブラッティフィールドが展開され、いよいよ黒馬の逃げ道は完全になくなる。
「わ、分かった朱道。ならお前はもう自由だ。好きに生きるといい。だからだ、だから親である俺を殺そうなんて考えるな」
「けど、オレはすでに母である立花椿を殺した。親父もそれを承知で向かわせたんだ。それだったらさ、一緒に同じ場所で逝け」
抵抗は全くの皆無。
黒馬に端から抵抗するつもりなどなかったのだろう。実際に抵抗は無意味だろうから。
「しゅ、朱道。きさ、貴様……」
そうして黒馬を突き刺す赤い血の槍は八本、いずれも黒馬の血を啜っている。まだ死なないのは黒馬の意地だろうか。
「俺、俺を殺す? お、お、お前が。まだだ、俺を生かせ朱道」
「悪い親父。今まで育ててくれたのは感謝するが、けどこう育てたのは親父だ。だからオレは後悔しない。オレはオレの思ったままに生きる。そのために…………死ね」
そうして朱道は自分の手で黒馬を、まるで椿の時のデジャブを見ているかのように虚朱槍フェニックスを突き立てる。
朱道の言葉に嘘はない。
後悔もなければ涙もない。