たった一人の甘々王子さま


浩司も、飲み終えたカップを流し台へ運び優樹の後に続く。


寝室のベッドに入ってから


「明日は先に役所に行くんだよね?」


と、優樹から最終確認。
式場へ向かう前に用意した婚姻届を提出するため。


「入籍も式も俺の誕生日で申し訳ない気がするよ」


布団に入りながら浩司が言う。


「今更?自分の誕生日だともっと先になるよ?相楽優樹になれないじゃん」


ちょっと拗ねて、浩司に背を向けて布団に潜り込む。


「赴任先にも、結婚するからって『相楽優樹』でも書類提出してるのに。浩司のバカ......」


小さく布団の中で呟いている。
浩司には丸聞こえなのだが。


「優樹、ごめんって」


「もう寝てるから聞こえません!」


布団に潜ったまま返事をする優樹。


「起きてるでしょうが.........」


浩司も微笑みながら布団を捲る。
が、すかさず引っ張られてまた布団に隠れる優樹。


「お休みだもんね」


「なら、こっち向いてくれないと」


浩司は優樹の身体の下に腕を入れて引っくり返すように自身の方へ向ける。
拗ねた優樹とご対面。


「嬉しいんだよ。やっと優樹がお嫁さんになってくれるんだからさ。それも、自分の誕生日に。最高のプレゼントだよね」


優樹の頬を撫でて額に口づける。


「ほんとにそう思ってるの?」


上目使いの優樹が問う。
そんな優樹の表情も可愛くて.........


「疑い深い奥さんですね?俺の愛、確かめてみます?」


優樹のパジャマの中に手を忍ばせて反応を待つ。怒って抓られるのを覚悟しながら素肌の優樹に触れていく。


「確かめます.........」


そう言って浩司の胸にすり寄った。


「では、明日に支障のない程度に.........」


浩司は優樹の顔を上げさせて優しくキスを落とす。触れるだけのキスから大人のキスへ。


「優樹.........」


「......こぅ......じ......」


こうじの唇が、優樹の身体中に触れていく。


「明日の式でバレるといけないから痕は付けないようにしなくちゃね」


「ん...」


「あ、ここなら良いかな?」


「え?......何処?」


『チゥッ』と、音が聞こえた場所は優樹の胸の膨らみの外側。左胸に小さな赤い花が咲いた。


「此処なら、下着で隠れるから分からないよね?もうちょっと増やそうかな.........」


日付が変わっても優樹の身体は浩司に愛され続けた。


「優樹。明日......っていうか今日の式、楽しみだね」


優樹を堪能した浩司は胸に抱きながら優樹の身体を擦る。


「目の下のクマ、消えなかったら恨むからね......」


嫌味のひとつでも言わないと気が済まなかった優樹。
『ちょこっとでも良いから寝る...』
と、目を閉じた。


「そうだね。俺も寝るよ。お休み優樹」


お互いに相手の温もりを感じながら数時間の眠りについた。


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