涙空*°。上
おごり
―凜said―

昨日の今日で、学校行くのマジしんどい...
でも、流石に二日目は休めないよね。

重い足取りで、未遥と学校に向かった。

靴を履き替えて、
クラスのまえに行くと、人だかり。



『あれがもう一人のイケメンって噂の、九条 怜雄くん!?』

どこからか、そんな声が聞こえた。
今は果てしなくどーでもいいんですけど...


『龍樹とは、別のタイプの爽やかイケメンってかんじぃ♡』


あたしのイライラはピークに達した。

『ちょ、なに!?』
女の子たちの間を無理矢理割って、教室に入ったあたし。

やっと目の前が開けたと思った瞬間...
あたしの目の前の景色が傾いた。



『わっ...きゃっ!?』
誰かの足に引っかかったみたい...


やばい...こける...



ん...あれ?
痛くない...なんでだ...!?


『お前ってさ、本当危なっかしいよな』
見上げると、
そこには勝ち誇ったように笑った
龍樹の顔がドアップであった。



...え??ええ!?
どうゆう状況ですか!?

あたしの腰に龍樹の手がまわって...


『!?!?』

『ってぇな!』
あたしは思いっきり龍樹を突き飛ばした。


『び、びっくりさせんなぁ!!』
あ、あた...あたし!!
龍樹に抱きかかえられてた!?
ありえない!

『おいこら、てめぇ。助けてやったのになんだその態度は。』

あ...

あたしはほんの一瞬前の事を思い出した。
転びそうになったあたしを助けてくれたのは、確かに龍樹だ。
や、やべぇ...

『お詫びに昼飯おごれな。』

『はぁ!?』
お詫びだとぉぅ!?
おごれだとぉぅ!?

『購買の焼きそばパンといちごみるく。』

『ちょ、拒否権は!?』

『ねぇに決まってんだろ。遅れたら殺す。以上。』
以上じゃねぇよ!
殺す。ってなんだ!!


『ははは、ごめんね、龍樹、馬鹿だからさ。』

ん?
笑い声がしたほうを見ると...

黒髪に、シルバーのピアスが似合う
爽やかすぎるイケメンが、
あたしに微笑んでいた。
...天使第2号!!

『俺、九条 怜雄。怜雄でいーからね』
そう言って、怜雄はまた笑った。

『あ、あたしは更級 凜ですっ』
イケメンすぎて、どもっちまったぜ恥ずかしい。


でも、さっきの女の人たちが騒いでたとおり、
確かに龍樹とはタイプが違うなぁ。

ま、チャライケメンに変わりはないけど!


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