涙空*°。上
アイスコーヒー
―未遥said―

凜と龍樹くんが、
この海旅行で、更に絆を深めたことを聞いてあたしは、心底安心した。


でも、龍樹くんの『約束』ってやつを聞いたときは、あたしもビックリしたけど。


何から何までそっくりなんだから。
怖いくらいだよ....



あたしは、
陽との待ち合わせのお洒落なカフェで
アイスコーヒーをストローでぐるぐる回してみた。


さっき陽から、

«部活が少し延びたから30分遅れるっ!!
まじ悪ぃ....パンケーキおごってやるから大人しく待ってろっ»
ってメールが届いた。


ここは、陽の住んでる街とあたしの住んでる街の中間くらい。
お互い、電車で2時間半くらいかかっちゃうんだけど。

今日は陽が荷物まとめて、
こっちにくる準備をするからあたしが迎えに来た。

そのついでに、デートってとこ。



でも、30分かぁ....
どうしようかなぁ。
アイスコーヒーだけで30分粘るしかないかなぁー....



カラン....
店のドアが開いた音がした。

すると店内は一気に、
カフェにいた女性客の歓声であふれた。



え、なに?
いきなりどうした...?




あたしは歓声のわけを確かめるべく顔をあげた。



....途端に呼吸をするのを忘れた。




あたしの目線の先には、




ブラウンの髪を綺麗にセットして、
お洒落な格好をした、
超ド級のイケメンがたっていた。





でもそれは、ただのイケメンじゃなくて...





え....
嘘....でしょ?






『....夏樹?』






こっちを向いたイケメンは、
間違いなく夏樹だった。







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