涙空*°。上
プレゼント
―凜said―

夏は過ぎ、木々が綺麗な色に染まりはじめて、少し肌寒くなってきた。


季節はいつの間にか秋になっていた。



あれから龍樹とは順調...だよな!
夏休もたくさん遊び行ったし!
それと、龍樹に関して色々発見した。


あいつ...
あんなんで頭がいい!!
手先が器用!!

...できないことがない....。



そりゃぁモテますよね?
当たり前ですよね...?



幸い、ファンの子とかに嫌がらせとかされてないからまだましなのかな(笑)




あ、冬月達なんか、
あたしの顔見ただけで逃げてく!!
ざまぁみろ!!



胡桃も別に、龍樹に絡まなくなった。
最近じゃ、よく怜雄達と合コン行ってるって聞いたりもした。
あんだけ可愛きゃ一発だ!!




平穏な日々が続いています!!
この上なく嬉しかったりする。



『おいこら、いちごみるく忘れてんぞ』
あとはこのクソ彼氏の暴言が直れば、
文句はない。



こいつ、人のこと完全にパシリだと思ってますよね!!

わたくし、あなた様の彼女様ですけど!?




怜雄には、
『愛情表現だよ♪』
なんて楽しそうに言われたけど....!?



『あたしは珈琲牛乳が好きなん
ですぅ!!』


『....チッ』
こいつ今舌打ちしやがった!!



『明日はちゃんと買えよ。俺の誕生日なんだから』






...はぁぁああん??
明日は誕生日だとぅ!?



『ちょ!!なんでそんな大事なこと黙ってんのよ!?』
信じらんねぇ!!
前日にHappy Birthday予告!?
有り得ねぇ...明日とか....



え....?
明日....?
ちょ....待ってよ。
明日って....




『....明日が誕生日なの?』


『何回も言わせんな馬鹿』
龍樹は、しょうもねぇって顔であたしを見た。




だって....
明日は....



10月5日は....






夏樹の誕生日だよ....?









あたしは、教室に戻ると、
委員会の仕事でお昼を一緒に食べられなかった未遥に報告した。


『誕生日一緒だよ!?気持ち悪いよ!!....って、未遥聞いてる?』


いつもは興味津々な未遥が、
あたしの顔を見ようとしない。



『未遥....なんかあった?』



『ぅうん!!ちょっと考え事』
と、慌てて笑顔を作った。



おかしいな....
未遥があたしに隠し事?




『それよりさ!!プレゼント買ってあげなきゃじゃん!!明日なんでしょ?龍樹くん』
ぁー....そうじゃんよ。
どぉしよぉぉぉー....



何を買えばいいんだろ(涙)


龍樹でしょ?

酒?タバコ?ライター?香水?







....金がないわ。
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