涙空*°。上
―凜said―

龍樹の誕生日プレゼントを買うべく、
あたしは街に買い物に来た。


未遥には、
用事があるから無理ってキッパリ断られたし、他の子には、
『誕生日!?ずるいー!!』って喚かれたから1人で来たんだけど....




とりあえず何買えばいいんだよ。



龍樹ってどんな感じ!?
やばい....彼女のクセに全然わかんない....。



んー....なんだろ...。
龍樹...
=チャラい、ピアス...




...ぁあ!!!ピアス!!!!
あたしはアクセサリーの専門店に向かった。




『か、かわいい....!!』
そこは、女物も男物も
たくさんの種類のアクセサリーをおいているお店だった。
店内はキラキラしてた。



んー....
ピアスコーナーの前でたたずむあたし。



『龍樹って、もういっぱいピアス付けてるんだよなぁ』
今更ながらに気づく。



あれ以上空いたらやばいよな!!
右に4個と左に5個ついてるもん!!
前、龍樹が寝てるときに数えたし!!



どれかと変えてくれるか、
穴を増やすかわからないけど....


これ以外あたしのとぼしい頭には、
いいものは浮かばないから仕方ない。



ピアスの種類はたくさんあった。
色もいっぱいあったけど、黒が龍樹っぽいなって思う。




『彼氏さんへのプレゼントですか?』
10分くらい粘ってたあたしに、
綺麗な店員さんが声をかけてきた。


『え....と、はい』
彼氏さんね....なんか恥ずかし!!



あたしは店員さんに手伝ってもらって、
黒の小さなスタッズ型のピアスを買った。
あたしが欲しいわって思ったくらい、
気に入ってしまった。




アクセサリーショップを出て、
自販でホットミルクティーを買った。




『寒くなってきたなぁ』
身体にあたる風が少し冷たい。


空はもう薄暗くて、
遠くには一番星が見える。


このあたりは昔よく、
夏樹と来た河原の近く。






『久しぶりに行ってみようかな』
あたしはあの河原へと向かった。
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