●全力妄想少年●
「似顔絵?」


僕と中西さんは、同時に声を上げた。
(何故だか分からないけど、ハモったのはちょっぴり嬉しかった)


「お尋ね人に似顔絵は付き物です。でも小林くんは絵心もなければ音感もない……そこで!」


ちょうどその時、4人目となる人物が教室のドアを開けた。


「わお!ナイスタイミング!」


鈴木さんがニヤリと笑って言った。


「貴明……?」


そこには、「え?何?」とびっくりしながらも、いつものヘラヘラとした笑顔を浮かべた、貴明が立っていた。
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