●全力妄想少年●
【お尋ね者】
3人が見守る中、似顔絵はその日の放課後にあっという間に描かれた。


僕が言った顔の特徴の1つ1つを、貴明は見事に再現してみせたのだ。


「貴明がそんなに絵が上手いなんて知らなかったよ……」


僕は幼なじみとして失格の言葉を口にしたが、貴明も「へへっ俺も知らなかった!」とおどけてみせた。


「まあ、貴明くんより絵が上手い人はいっぱいいるけど、親友の気持ちを一番理解できるのはこいつしかいない!て思ったの」


貴明よりも得意気な顔で鈴木さんは言う。


中西さんも「確かにこんな顔だった気がするわ」と言ってくれたので、一切の推敲なしで似顔絵は見事採用された。


「あとはもう地道に聞き込みするしかないけど……それはそうと、小林くん、彼女に会ってどうするか決めたの?」


あ……。
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