●全力妄想少年●
それは一番初めに鈴木さんに聞かれて答えられなかった問いだった。


会って何をするかだって……?


3人が僕の顔をじっと見つめてくるから、僕は何だか緊張してドキドキしてきた。


「真!考えるなって!考えるのは1ヶ月に1回でいいんだぜ!」


貴明の声援?に後押しされて、僕は自分の素直な気持ちに耳を傾ける。


難しく考えるな……。


もしも彼女に会ったら……




「愛してます、と言うよ」




すっと自然に出てきた僕の言葉を、誰1人として笑わなかったし、バカにもしなかった。


「小林くん!少しは男になったね!」


そんな鈴木さんの言葉が、たまらなく嬉しかった。
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