毒舌紳士に攻略されて
そして私の両肩をがっちり掴むと、真っ赤な目でジッと見つめてきた。

「でもねめぐみ。男が全員そんな最低野郎とは限らないんだよ?親友だから言わせてもらうけど、勿体ないよ!そんな最低野郎のトラウマに囚われたままでいるなんて。……素敵な恋愛できないなんて勿体ない」

「それは……」

そうかもしれない。
琴美の言う通りかもしれない。
あの時からもう何年経った?いい加減断ち切らないといけないのかもしれない。

「もちろんそれは分かっているよ?……でもどうしても思い出しちゃうの、あの時のことを。……またあの時みたいに裏切られたらどうしよう。とか、もう二度とあんな思いしたくない。とか」

そのたびに心の中でブレーキをかけてしまうの。
人を好きになったらまたあの時のような、辛い思いをするかもしれないって。

「その気持ちは分かるよ?きっと世の中にはその男と同じようなことをしている奴もいるだろうし。……でもね、坂井は絶対にそんなことしないと思う。アイツだけは信じてもいいと思う」

「琴美……」
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