毒舌紳士に攻略されて
そしてダムが決壊したかのように、琴美の瞳からは次から次へと涙が零れ落ちていく。

「えっ!ちょっと琴美!?」

その姿にギョッとしてしまい、すぐに琴美の方へと移動する。
すると琴美は涙を拭いながら、ギュッと私の身体を抱きしめた。

「あーもう!!どうして私、めぐみと同じ高校じゃなかったのかな!もし同じ高校だったら、そんな男ぶっ飛ばしていたのに!」

「……琴美」

さらに抱きしめる力を強める琴美。

「本当に最悪!何?賭けとか!あり得ないし!」

ギュッギュッと力を強めていかれ、息苦しさを感じるほどなのに、嬉しくて堪らない。
私も考えちゃったよ。
もし、もしも琴美と高校生の時に出会えていたら、なにか変わっていたのかもしれないって。

ううん、きっと変わっていたよ。琴美と出会えていたら――。

「……ありがとう、琴美」

溢れそうになる涙を堪えながら声を絞り出すと、琴美は急に勢いよく私の身体を離した。
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