毒舌紳士に攻略されて
だけどどうしてもそれが、“好き”とは結びつかない気がしてならない。

「ねぇ、あの人でしょ?坂井さんと……」

「あぁ、佐藤さんでしょ?でも所詮噂だと思うんだけど」

バスに乗り合わせた女性社員達が私を見ては、コソコソ話をしている。
もう既に慣れっこだ。
それにその通りだし。所詮噂でしかない。
現に私と坂井君は付き合ってなんていないし、坂井君の発言だって本気かどうか定かではない。
でも昨日のメールの返信からすると、どうも本気のようには思えない。

だけど私の気持ちはどうなんだろう。

坂井君がどうとか、周りの反応がどうとかを抜きにして、私は坂井君のことどう思っているのかな?

考えてもすぐには出ない答えにモヤモヤしながらも、痛む頭を押さえながら会社へと向かった。



「はー、だいぶ二日酔いマシになったわ」

「私も」

昼休み。いつものように琴美と社員食堂で昼食を共にしていた。
どうやら琴美も酷い二日酔いになってしまったようで、出勤時は酷い顔をしていた。
でも薬が効いてきたのか、今はだいぶ顔色が良い。
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