毒舌紳士に攻略されて
でも私はやっぱり坂井君が苦手だなって思うし、同期以上の関係を望まない。
なにより関わらなくていいなら、一切関わりたくないもの。
だったら、同期会までの辛抱だ。

そう自分に言い聞かせながら、ゆっくりと会社へと向かった。




次の日――。

「おはよう」

昨日のことがあり、恐る恐る玄関のドアを開けると、そこには昨日同様の光景が目に飛び込んできた。
動揺しつつも、両親にはバレたくないと思い、急いでドアを閉め坂井君の元へと駆け寄る。

「どっ、どうしているの!?私、昨日言ったよね!?」

興奮気味な私とは違い、今日も坂井君は至って冷静に淡々と話し出した。

「それは佐藤が勝手に言っただけで、俺は迎えに行かないとは言ってないだろう?」

「なっ……!」

なんて子供みたいな言いワケするの!?

しれっとしながら、さも当たり前かのようにまた助手席のドアを開けちゃっているし!

言葉にならず唖然としてしまっていると、坂井君は早く乗れと急かしてくる。
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