毒舌紳士に攻略されて
「昔からみっちゃん……あ、主人にねそっくりなのよ、あの子」
“みっちゃん”
結婚して何年経ってもお互いのことを名前で呼び合える夫婦っていいな。なんて考えながらも、坂井君はお母さんに似ていないと思ってはいたけれど、父親似だったのかと納得してしまっている中、お母さんは大きな溜息を吐きながら話を続けた。
「本当に驚くほどそっくりなのよ。顔も声も性格も」
「性格、もですか?」
「そう!……ここだけの話、あの子けっこう毒舌吐いたりしない?」
ここには坂井君はいないというのに、なぜか声を潜めてくるお母さん。
そんなお母さんにつられるように、私まで声を潜めてしまいつつも、興奮してしまう。
だってその通りだから。
「そりゃもう!……あっ!でもすごく紳士的でもあるんです」
まるで友達と話しているような錯覚に陥る。
それはきっとお母さんが実年齢よりも、すごく若く見えるからかもしれない。
「やっぱり!本当に変なところだけ似るんだから。……でも紳士的なの?」
信じられないと言いたそうにまたお母さんは声を潜めて聞いてきた。
“みっちゃん”
結婚して何年経ってもお互いのことを名前で呼び合える夫婦っていいな。なんて考えながらも、坂井君はお母さんに似ていないと思ってはいたけれど、父親似だったのかと納得してしまっている中、お母さんは大きな溜息を吐きながら話を続けた。
「本当に驚くほどそっくりなのよ。顔も声も性格も」
「性格、もですか?」
「そう!……ここだけの話、あの子けっこう毒舌吐いたりしない?」
ここには坂井君はいないというのに、なぜか声を潜めてくるお母さん。
そんなお母さんにつられるように、私まで声を潜めてしまいつつも、興奮してしまう。
だってその通りだから。
「そりゃもう!……あっ!でもすごく紳士的でもあるんです」
まるで友達と話しているような錯覚に陥る。
それはきっとお母さんが実年齢よりも、すごく若く見えるからかもしれない。
「やっぱり!本当に変なところだけ似るんだから。……でも紳士的なの?」
信じられないと言いたそうにまたお母さんは声を潜めて聞いてきた。