愛を教えてくれた君に
君の優しさ

-Nico-


惹かれる・・・?

私の視界は突然まわりはじめた。

あ・・。忘れてた。朝熱あったんだ。

やばい。保健室行かないと・・・。

「じゃあまた五時間目にね!!」

私は笑顔を見せ立ちさった。

階段の踊り場で止まった

もぅ・・・。無理だ・・・。

「あ!ぶっね。」

私は誰かに抱えられたがそこで意識が飛んでしまった。

真っ白な天井。消毒のにおい。

あ、保健室か。

ここまで誰が運んでくれたんだろ。

「あ?起きた?加藤さんだっけ?
  熱が結構高いから親御さん呼ぼうと思うんだけど。
 携帯繋がらないのよね・・・・。会社の番号分かるかしら?」

どこに電話しても迎えに来るには無理な距離のところにいる。

「あ、今両親仕事でパリです。
 3か月は戻って来れないみたいなんで。一人で帰ります。」

私の両親から離れた生活は物心ついたときからずっとだ。

きっと愛されてないわけじゃない。でも愛ってなんなんだろ。

せめて兄弟が居ればよかった。

「大丈夫??学校からお家までどれくらい?」

「三駅ぐらいなんで平気です。」

「ホントに?先生が送ろうか?」

「大丈夫です。」

・・・・トントン

保健室に誰かが入ってきた、カーテンで丁度隠れて見えなかった。

「あ!さっきはありがとう。今目覚めたところよ」

「なら良かったです。これ加藤の荷物です。」

「あ、加藤さん!さっきあなたをココまで連れてきてくれた子よ。」

そこに立っていたのは山田くんだった。

「あ、山田くん。ありがとう。」

「おう。じゃあ」

「あ!待って!」

先生が山田くんを引きとめた

「山田くん、学校から何駅くらいのところに住んでるの?」

「三 駅です。」

え?三駅?

「悪いんだけどできるとこまででいいから加藤さんに付き添ってあげてくれない?」

「先生大丈夫ですから。」

私はとっさに答えた。

「いいですよ。家まで送ります。」

山田くんの思いがけない言葉に驚きを隠せなかった。

「どうせ、まともに歩けないんだろ。女じゃ支えるので精一杯だと思うし、
 お前の仲いいやつ部活だろ?。俺やってないから。送ってやるよ。」

私は普段とは違う彼の優しさに、

なにか変な気持ちを覚えた。

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